F&LC広報室は「上海店舗の盛況ぶりが中国のSNSで拡散し、他地域に波及した」と説明する。SNSでは、食べ終わった皿を高く積み上げて撮影する「寿司塔(スシロータワー)」や、毎週スシローに通うことを意味する「周周見郎」といったハッシュタグも流行した。
加藤広慎副社長は2026年9月期上期の決算説明会で「中国は経済がよくないので、いいものを適正な価格で食べたいというニーズが高まっている」と語った。中国の景気減速は、デフレで鍛えられた日本の外食チェーンにとって商機になっている。
一方で、スシローは中国市場で「より安く」を追求しているわけではない。前編で紹介したように、中国の店舗ではマグロやサーモンなどの定番ネタに加え、1皿600円を超える高価格帯のメニューが多く並ぶ。
10月は焼き本タラバ蟹盛り合わせを268元(約6300円)、生馬糞ウニとシャリ3貫のセットを48元(約1130円)で発売する店舗もある。
「1皿100円」のイメージがない中国の消費者は、日本の回転寿司店ではなく現地の既存の寿司店との比較で評価するため、スシローはメニューや価格設定で日本より柔軟性を持たせやすいのだろう。
日本の店舗の再現を目指す
日本の外食チェーンが中国に進出する際、「早期に100店舗」を目標とすることが多いが、実現例は多くない。同様の目標を掲げて2023年に中国進出したくら寿司は、2025年に撤退。丸亀製麺の撤退後、2023年にラーメンブランドで中国に再進出したトリドールホールディングスは「まずは200店舗」としたが、伸び悩んでいる。


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