高齢化が進むとともに、認知症と診断される人が増加。65歳以上の高齢者の約3.6人に1人が認知症とその予備軍と推計されています。
認知症を疑ったら、なるべく早く、専門医を受診したいものです。しかし、親に受診を勧めても、「うるさい!」「自分のことは自分が一番よくわかっている」と一蹴されてしまうことがあります。そんなとき、どのように対応すればよいのでしょう。
親が頑なに受診を拒否
認知症であっても、早期に治療すれば、進行を遅らせることができるケースがあります。認知症だと思っていたら、高齢者特有の「うつ」だったり、薬の飲み合わせが悪いことが原因だった、なんていう場合もあります。
ところが、受診を促しても、本人が嫌がるケースが多いのです。Mさん、Tさんの例を見てみましょう。
・都内在住、在勤。夫と2人暮らし、ひとりっ子
・両親(80代)は片道3時間の実家で2人暮らし。
Mさんの両親は、新幹線を使って片道3時間ほどの実家で夫婦2人暮らしをしています。この夏、父親から電話がかかってきました。「母さんがおかしい。病院に行くように言っているが、耳を貸さない。Mから説得してほしい」。
「電話のあった週末に帰省しました。玄関先で母と会った時には、『普段と変わらない?』と思ったのですが、台所に行き驚きました」(Mさん)
流し台にゴミがあふれ、テーブルには汚れた皿がいくつも置かれていました。冷蔵庫を開けると、卵が30個はあります。
「母に『どうしてこんなに卵があるの?』と聞くと、それには答えず、どれが生卵でどれがゆで卵かわからないとパニクリ始めたんですよ」(Mさん)
「病院に行こう」と言っても、母親は「私はどこも悪くない」と繰り返すばかり。しまいには、「私のこと、ボケていると思っているの」と怖い形相でにらまれました。
「いつも穏やかな母の表情が険しくてびっくりしました。何とかしなければと思いつつも、どうすればいいかわからないんです。まさか、首に縄をつけて病院に連れて行くわけにもいかず。毎日、父親に電話をして様子を聞きつつ、今後のことを考えているところです」(Mさん)


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