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あなたの職場は、どこにあるだろうか。都会のオフィスビル? 地方の小さな一軒家? 公共施設や学校、あるいは農場や牧場という人もいるかもしれない。
でも、「山」が職場だという人はいったいどれくらいいるのだろう。例えば林業従事者は、令和2年の国勢調査によると4.4万人と言われているものの、「山で働く人」の総数を把握するのは難しい。他にも、山岳ガイドや山小屋の管理人、遭難救助隊や山岳医など、山をフィールドとして働く人の多くは、既存の統計区分をまたいでいることが多いのも一因だ。
この山という場所の特殊性ゆえにブラックボックス化していた「山の仕事」に、底なしの好奇心を掻き立てられた人物がいる。
17歳で生まれて初めて登山を経験し、山の多面性に魅力を感じた、株式会社山屋の松見真宏さんだ。
「名もなき山仕事」を引き受ける
山屋は、荷物を背負って人力で荷物を山に運ぶ「歩荷」(ぼっか)という仕事を軸としながら、現在は運搬にとどまらず、調査や作業、作品監修など、山にまつわるありとあらゆる仕事を行う。その詳細は前編で紹介した。
フリーランスで山屋の仕事を始めて10年、会社を起業して6年目。松見さんは、従来、正当な職業として扱われにくかった山の仕事を職業として確立し、現代社会における山と人間の関係性を再構築しようと試みてきた。
17歳で山に魅了され、山のすべてを知りたいと願いながらも、「素質的にクライマーにも登山家にも山小屋の支配人にもなれない」と悩んだ青年は今、「生活者として山で人生を成立させたい」という思いを追いかけて道なき道をゆき、より大きな“山”に挑んでいる――。


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