店名と同じ響きを持つアニメとのコラボは、偶然の一致を逆手に取った企画とも読める。ファンの気持ちに応えることが、来店や購買にどうつながっているのか。タリーズのようなグローバル型と、ダンダダンのような国内IP反復型。次は、両者を並べて見ていこう。
コラボは“当てる”ものではなく、ファンの気持ちに応える仕組みの積み重ねだ
タリーズとダンダダンの事例を見比べて可視化されるのは、両社がファンの気持ちにどう応え、それを来店や購買にどうつなげているかの違いだ。
タリーズは、ドリンクにフード・グッズ・アプリ特典を重ね、1回の来店で複数の購買ポイントが生まれる組み立てを取っている。ゴンチャ×Felixの購入額・アプリ連携条件も同じ発想だ。加えて、全国展開の商品に一部店舗限定の装飾を組み合わせ、広く売る部分とファンが目的地に選ぶ部分を分けている。
この組み立ては商品や装飾というハードだけでは完結しない。渋谷スクランブルスクエア店では、グッズを購入せず席に着いた筆者に、店員が自然に対象商品と共に購入できるグッズを案内してくれた。押し売りではなく、体験を補うような声かけだ。購買の機会を重ねる仕組みは、商品陳列というハードと、接客というソフトの両方に支えられている。
一方ダンダダンが繰り返しているのは、複数のアニメIPを次々に迎え入れることで新しい客層との接点を作り続ける手法だ。決算説明資料でも、人気アニメとのコラボは「ご来店機会の創出」につながる施策として紹介されている。購買の機会を重ねるタリーズとは異なり、ダンダダンはIPとの接点を重ねることで、新しい客層との入り口を作ろうとしているように見える。
ただしタリーズの事例は、一歩先を進んでいるようにも思える。本稿で何度か触れている「物語性と購買導線の両立」という点でだ。

