名前の偶然を武器にしている居酒屋もある
同じ「コラボ増加」でも、まったく違う勝負をしている業態がある。「肉汁餃子のダンダダン」だ。同店は2020年6月、旧称「肉汁餃子製作所ダンダダン酒場」から全国91店舗を対象に改称している。運営元は東証グロース上場の株式会社NATTY SWANKY Holdings(以下NATTY SWANKY HD)で、2026年6月末時点の店舗数は直営97店・フランチャイズ32店の合計129店。2026年1月期末の133店からは微減しており、少なくとも直近では出店拡大一辺倒とは言い切れない。
同社の直近決算(2027年1月期第1四半期)は売上高19億2400万円、営業利益約3500万円。通期予想は売上高80億円、営業利益4000万円だ。前期(2026年1月期)は、売上高こそ前期比6.8%増の76億8300万円だったが、原材料価格や人件費など外食事業を取り巻くコスト環境が厳しさを増すなか、店舗固定資産の減損損失も計上し、親会社株主に帰属する当期純損益は9億3000万円の赤字となった。この規模感を踏まえると、「コラボで稼いでいる」と読むのは無理がある。
それでも同社は、アニメIPとのコラボを継続的に行っている。2022年には映画『五等分の花嫁』とコラボし、グッズは同社の想定を大きく上回る反響で品薄・初回分完売が相次いだと公式に発表された。2023年から2024年にかけては『ブルーロック』を2度、『新テニスの王子様』を展開。そして2025年8月には、店名と同じ響きを持つアニメ『ダンダダン』とのコラボ第2弾を実施している。
同社はIRで、こうした施策について「ご来店機会の創出」や「新規顧客の開拓への貢献」と説明している。資料上では、TVアニメ『ダンダダン』とのコラボ画像も掲載されており、人気アニメとのコラボを単なる話題づくりではなく、来店機会を生む施策として位置づけていることがうかがえる。

