INDEX
前回までは、1974年に松戸市唯一の百貨店として開業した伊勢丹松戸店が、2018年に閉店するまでの44年を追った。
【1】「全会一致で応援」→「9カ月後に見捨てる」…閉店が全国ニュースに「千葉屈指のベッドタウン」から百貨店が消滅した理由
【2】「船橋にはあるのにうちにはない」と百貨店を誘致、大松戸市を目指すも失敗…「千葉のベッドタウン」が迎えた"皮肉な結末"
閉店直前、市は伊勢丹を存続させるため、総額約21億円をかけて売り場の一部を借り上げる案を示したが、市議会は全会一致で退けた。ただし、議会が反対したのは伊勢丹の存続そのものではない。高額な賃料に加え、十分な判断材料がないまま示された支援策が問題視されたのである。
松戸市はかつて、周辺地域から買い物客を集める街「消費センター」を目指して百貨店を誘致した。しかし、ビル所有者や伊勢丹の方針が変わり、松戸は都心へ通勤する人々が暮らす街として発展していった。
では、百貨店がなくなった現在の駅前には何が残っているのか。実際に歩いて確かめた。
①駅前だけで生活が完結する街
7月中旬の平日午前11時、JR松戸駅を降り、まず東口の「プラーレ松戸」へ向かった。核テナントはイトーヨーカドーだ。上層階は人影もまばらだったが、反対に1階の食品売り場はにぎわっていた。買い物をする主婦や、昼食用の弁当を選ぶ会社員などでレジは途切れず人が並んでいる。
駅から続くペデストリアンデッキは、プラーレの2階に直結している。そのため、2階のフードコートは11時台にもかかわらず、席が半分ほど埋まっていた。学生グループ、昼食をとる家族連れ、PCを開いて仕事をするサラリーマンなどさまざまだ。

