かつて福島駅前には、中合(なかごう)福島店、山田百貨店、ツタヤ百貨店の3つの百貨店があった。
前編では、再開発によって百貨店が駅前に集まり、街の賑わいの重心が入れ替わっていった経緯を追った。福島駅前通り商店街の副理事長・齋藤誠さんに当時の話を聞くと、「福島の百貨店といえば中合だね」と即答した。
屋上遊園地に連れて行ってもらったり、デパートの食堂で食事をしたりと、思い出を語る齋藤さん。駅前に百貨店が集結した、商業の黄金時代だ。
しかし、駅前に百貨店が集まったことの代償は大きかった。市自身も、駅前への商業・業務機能の集中が、かつての中心商業地の地盤沈下を招いたと認識していた。
では、百貨店側はそのとき何をしていたのか。資料をたどると、それぞれの店が別々の苦労と危機を抱えていたことが見えてくる。
福島に根を張った3つの百貨店
中合の創業者は近江から来た商人だった。山田百貨店も伊達郡保原、ツタヤ百貨店も郡山を出自とする。福島駅前にあった3つの百貨店は、いずれも福島市外からやってきて、この街に根を張った店だった。


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