INDEX
8月上旬の平日昼間、福島駅東口を歩いた。目に入るのはホテルやオフィスビルで、そのビル群の中にぽっかりと広大な更地ができている。かつて福島を代表する百貨店「中合(なかごう)福島店」があった場所だ。
「まさか中合がなくなるとは思わなかった。中合だけはずっとあるもんだと思っていた」
これは、福島駅前通り商店街の副理事長・齋藤誠さんの声である。更地は工事中の白い壁に囲まれ、駅前の一等地にしては広すぎる空が印象的だった。
①県庁所在地なのに百貨店が全滅した街
福島市は福島県の県庁所在地である。東京から新幹線で約1時間半、人口は約27万人。かつては養蚕と阿武隈川の舟運で栄えた城下町だった。
福島駅前にはかつて、長崎屋やエンドーチェーンなど多くの大型店が集まっていた。本稿ではそのなかでも、福島の百貨店史をたどるうえで中心となる「中合」「山田百貨店」「ツタヤ百貨店」の3店に注目したい。


※ログイン後、コメント入力が可能です。