「政策の状況」とは、読者もお察しのとおり、アメリカの現政権(連邦政府)によるBEV購入支援策の撤廃も、その一例。
25年9月末に正式撤廃されたため、これからの重要商品と目されていたBEVの売れ行きが大きなアメリカ市場において、大幅に減速した。
スバルは、そこで自社開発のBEVの導入時期延期を発表。開発リソースをICE(エンジン車)にシフトするとしている。
「変化への柔軟性こそが、競争力の原点」とは渡邊常務の言葉。BEVにこだわり続けず、状況の変化に合わせて開発を進めていくというわけだ。
開発/組織/生産/商品
「柔軟性の徹底的な追求」として4項目があげられた。
1つめは「開発」。具体的には、「コア技術の共通化による高効率開発」とされる。たとえば、車種間でのプラットフォーム共用化だ。
2つめは「組織」。アジャイル開発などのプロセス開発に対応できたり、従前にとらわれない発想をしたりといった、「真の競争力をもった人・組織づくり」のこと。
3つめは「生産」。混流ライン(とブリッジ生産)による変種変量短生産。これが今回のテーマになる。ブリッジ生産とは、たとえば矢島工場と米国工場で同一車種の生産を行うことをいう。
4つめは「商品」で、ラインナップの大幅拡充をめざす。
そこで話が矢島工場に戻る。26年2月より新工場として稼働を開始した同工場の最大の特徴は、混流生産にある。
具体的には、ICE(エンジン車)とBEV(バッテリー駆動EV)を同じ組み立てラインで流すこと。
実際、矢島工場では、「トレイルシーカー」と「フォレスター」が同じラインを流れていた。
もう1つの混流は、トヨタ車も組み立てること。ブランドの混流である。
スバルが陣頭指揮して開発されたトレイルシーカーと姉妹関係にあるトヨタ「bZ4Xツーリング」が、やはり同じラインを流れている。
私が組み立てラインを訪れたときはbZ4Xが多く、それをスバルの制服着用の工員たちが組み立てていた。ユニークな風景だ。

