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ひとつの現場で2.8トンを運ぶ、過酷な労働「荷揚げ屋」
初対面の男の腕には、痛々しい針の跡が目立っていた。糖尿病が原因で腎臓を悪くして、3年前から人工透析を受けているからだ。今村康二(仮名・64歳)は、月曜、水曜、金曜の夕方から夜にかけての4時間を病院のベッドの上で過ごす。
「今は週に3、4日仕事に出ますが、生活はギリギリですね。透析がある日は15時には現場を上がります。翌日が仕事のこともあります」
荷揚げ屋という仕事を知っているだろうか。建設現場で壁材や石膏ボード、金属や木の柱などを運ぶプロだが、その仕事は苛烈さを極める。荷揚げ屋の仕事の一例を示すと、ビルや住宅などの壁に使われる1枚約14キロの石膏ボードを100枚から200枚、現場の所定の位置に人力で配置する。リフトがない現場では、ボード2枚か4枚を背中に担ぎ、何回も階段を上がる。仮に200枚ならひとりで2.8トンもの荷物を動かすことになる。建設現場の中でも、かなり体力を使う仕事であることは想像できるだろう。そんな仕事を30年以上続けているのが今村だ。

