サウジの「スポーツ地政学」戦略
今、サウジアラビアは世界で最もスポーツを政治に利用している国である。転機となったのは、2016年に立ち上げた政府プログラム「サウジビジョン2030」だ。
サウジアラビアは世界有数の産油国だが、石油が実質GDPの約40%を占め、依存度があまりにも高かった。
そこで政府は石油への依存を減らすため、経済、スポーツ、教育、芸術などの分野で新たな産業を興す「サウジビジョン2030」をスタートさせた。
この国家プロジェクトの中心にいるのが、サウジアラビア皇太子兼首相のムハンマド・ビン・サルマーン(MBS)皇太子だ。MBS皇太子は政府系ファンド「Public Investment Fund」(PIF)を介して世界中の企業や資産に投資すると同時に、スポーツへの投資を国家戦略の中核に置いた。

