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人口3万人「過疎の町」で、漁師が火付け役に…愛媛の小さなベーカリーが《元祖塩パン》を生んだ意外な経緯

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塩パンを入れたバスケットを持つ平田さん
塩パンを生み出したのは、過疎化する市の小さな「町のパン屋さん」だった(写真:筆者撮影)

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2019年頃に全国的ブームを起こし、いまやパンの1ジャンルとして定番商品となった感のある「塩パン」。実はこのパン、開発したのは大手企業ではない。生みの親は、愛媛県八幡浜(やわたはま)市にある「町のパン屋さん」だ。八幡浜市は、愛媛県で初めて「市」として過疎化地域に指定された、人口減少が危惧される小さな港町である。

過疎化する市の小さなベーカリーが、どのようにして、全国で当たり前に売られる塩パンを作り出したのか。その根底にあったのは、儲けや利益優先の発想ではない。「地元の人に愛されるパンを」という、パン職人ならではの想いからだった──。

「売上が落ちる夏でも売れるパンを作りたい」

ふわっと香るバターの風味と、絶妙な塩加減が食欲をそそる塩パン。外はカリッ&中はもちっとした食感が特徴で、2019年頃に一大ブームを作り上げた。

その生まれ故郷は、「パン・メゾン」八幡浜本店(当時は一店舗のみ)。フランス語で「パンの家」を意味する。訪れると、地元の人々だけでなく、県外ナンバーの車も駐車場に並んでいた。

パン・メゾン八幡浜本店。休日ともなると広い駐車場もいっぱいに。観光バスが入ることも(写真:筆者撮影)
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