軽トラや右ハンドル車がアメリカで密かなブーム どうやって日本車を輸入し、乗っているのか?
じつはハンドル位置に関しては、右であろうと左であろうと、なんだったら真ん中だろうと、それ自体に規制は存在しない。何はともあれアメリカ運輸省(DOT)の道路交通安全局(NHTSA)が定める連邦自動車安全基準(FMVSS)に適合していなければならない。
だが、当のNHTSAが輸入不適合車を規定しているeligibility listには、「FMVSSに適合していない自動車の輸入は禁止されているが、それは少なくとも25年以上(製造年月日に基づく)経過した自動車には適用されない」と記されている。つまり製造から車齢25年をすぎたクルマは、輸入するうえでFMVSS適合を証明する必要がなくなるのである。
よく聞く「25年ルール」とは?
ちなみに、その一文こそが日米の中古車専門業者や輸出入業者の間で語られることの多い、いわゆる「25年ルール」の根拠にもなっている。一般的に「25年が経過すれば輸入解禁」と解釈されがちな25年ルールだが、正確には25年経っていないクルマでもFMVSSへの適合を証明するか、適合させるための改造ができれば輸入は可能である。ただし、そのハードルが極めて高く、実質的には実現が困難であるため、みな25年が経過してFMVSSの適合証明をする必要がなくなるのを、今か今かと待っているというわけだ。
また、アメリカの環境保護庁(EPA)が基準を定める排ガス規制についても、諸条件を満たした車齢21年以上のクルマに関しては、輸入するための規制は免除されることになっている。
ということで、車齢25年を経たクルマ、2023年を起点にすれば1998年式より古いクルマに話を絞れば、軽自動車であれ、右ハンドル車であれ、輸入自体のハードルは意外と高くない。
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