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なぜ官僚や学者の政策はいつも失敗ばかりなのか アベノマスクから岸田政権の総合経済対策まで

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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一見すると巨額の数字が並ぶ総合経済対策。こうした対策は最近うまく行ったという話を聞かないが、それはなぜなのか(写真:ブルームバーグ)

今回は政策について論じたい。はっきりいって、経済政策は失敗ばかりである。経済だけでなく、ほとんどの政策は失敗ばかりだ。

「官僚の想像力不足」が招いたアベノマスクの不評

なぜなのか。ひとことで言えば「想像力不足」「コントロールの誤謬」「庭先掃除癖」、そして「目的不在」がその主な理由だ。

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

もはや多くの人が忘れかかっているかもしれないが、2020年4月1日、安倍晋三首相(当時)は、国内全世帯への「布マスク」の無償配布を行うという方針を発表した。通称アベノマスクである。

当時、日本では、欧米の病院の悲惨な状況の映像を連日テレビで見せられた国民の間に、ウイルスの恐怖が蔓延していた状況だった。

当時は官邸にいた首相側近が「マスクを全国民に配れば、不安なんてぱぁーっと解消しますよ」と言い放ち、そのアドバイスに従った首相が支持率を急落させることになったと言われている。

このときの問題は、官僚の想像力不足であった。

当時は金(カネ)だってターゲットを絞って満足に配れていなかったのに、マスクというモノを早期に郵送で配布するなど、できるわけがなかった。政策の実行コスト、かかる時間、そのプロセスをどこまで想像できたのだろうか。当時は、金を国民全員に配るのですら、結局、広告代理店の関連会社の手を借りるような有様だった。

そして、もっとも想像力不足なのは、その政策の受け手(国民)が、どのように感じるか、そしてどのように反応するか、ということがまったくできていないのだ。マスクを受け取る人、という個人、生きている人間ひとりひとりを想像せずに、「国民」という概念で片付けてしまっているのがその原因の1つだ。

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