学校批判は的外れ「ブラック校則」なくならない訳 ルールメイカー育成プロジェクトの可能性

「ブラック校則」は、学校だけの問題ではない
「ツーブロック禁止」「下着の色は白」「靴下の長さは、ひざからくるぶしの3分の1以下の長さ」。いわゆるブラック校則と称される校則が2021年の今でも存在している。外から見れば明らかに時代遅れと感じられる校則でも、見直されないケースは少なくない。仕方のないこと、決まったことだから守らなければならない。でも、それはもしかしたら自分たちの思い込みかもしれない。
校則の是非を問うのではなく、「校則を見直す」というプロセスを重視して、どうすれば自分たちで学校の当たり前を変えることができるのか。そんな問題意識から生まれたのが、19年から認定NPO法人カタリバが行っている「ルールメイカー育成プロジェクト」だ。このプロジェクトでは、生徒が学校に主体的に関わっていき、学校の校則・ルールの対話的な見直しを通じて、生徒の自主性や主体性が育んでいくことを目指している。
それは大きな視点で見れば、生徒自らが問いを立てて考え、アクションを起こすことで学校、そして社会を変えていく試みでもある。このルールメイカー育成プロジェクトを担当しているのがカタリバのディレクターである菅野祐太氏だ。

(写真:カタリバ提供)
「ブラック校則に関しては、その多くが学校側に対して批判が行われますが、ただ批判するだけではブラック校則はなくならないと考えています。というのも、ブラック校則においては、社会の空気や生徒たち自体のありようが変わってきているにもかかわらず、昔の校則を見直していく文化が、そもそも学校空間にはないということ。それが大きな問題の1つだと考えているのです」