「協働的な学び」動画作りで簡単に実践できる訳 授業テーマと学習指導案、iMovieの使い方解説

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今年の卒業式や入学式では、子どもたち自らが作った動画を流す光景が多く見られた。コロナ禍で多くの人が一堂に集まる機会が制限されている影響もあるが、ほとんどの公立の小中学校で「1人1台端末」が整備され、動画作りに取り組みやすくなっているのだろう。そんな動画作りは、授業においても協働的な学びに有効だという。ここでは学校現場で映像制作を取り入れた授業の提案、アドバイスを行う映画監督の山﨑達璽氏に動画作りに最適な授業テーマ、押さえておくべき基本のポイント、またiMovieを使った実際の動画作りについて解説してもらった。

子どもたち同士が教え合い学び合いながら動画を作るよさ

現代の子どもたちにとって動画を見たり、作ったりすることは、今や日常だ。とくに教えなくても、子どもたちは自分でどんどん調べて、先生があっと驚くような動画を作ってしまうこともある。そんな動画作りは、子どもたちの興味関心が高いこともあって、グループで取り組むことで協働的な学びを自然な形で実現できるのが魅力だ。

何を撮影するか、どんな構成にするのかなど、子どもたち同士が教え合い学び合いながら、限られたスケジュールの中で役割分担をして1つのアウトプットを作る。それは、まさに協働的な学びの実践といえるのではないだろうか。ここでは入門編として、学校現場で映像制作を取り入れた授業の提案、アドバイスを行う映画監督の山﨑達璽氏から「クラス紹介動画」を作ることを目標とした学習指導案を紹介してもらう。

山﨑達璽(やまざき・たつじ)
日本大学藝術学部映画学科監督コース卒。芸術学修士。1999年、大学の卒業制作『夢二人形』がカンヌ映画祭にノミネートされ、映画監督デビュー。2008年、新感覚時代劇『宮城野』(出演:毬谷友子・片岡愛之助・國村隼・樹木希林ら)を発表。その後、映画だけでなく企業広告映像やミュージックビデオに加え、教員向け動画コンテンツの制作などにも活躍の幅を広げ、2015年から4年にわたって150コマ近くのアクティブラーニングに取り組んでいる教員の授業を取材。現在は、映像専門学校の講師を務めるほか、ぐんま国際アカデミーやドルトン東京学園など学校現場で映像制作を取り入れた授業の提案、アドバイスを行う。著書に『探究活動ではじめる動画・映像制作 ~映画監督がひもとく 1人1台タブレット時代の新しい学び~』(Kindle版)がある

概要は、3人1組のグループをつくり、それぞれのインタビュー動画を撮影し、グループを紹介する動画に編集。さらに、それらをつなげて1本の「クラス紹介動画」にまとめ上げることを目指す。

狙いは、端末を使ったごく簡単な動画作りを通じて、撮影から編集への作業フローをイメージし、カメラや動画編集アプリの基本的な使い方を身に付けること、また計画的なものづくりができるようになることだ。

「グループ紹介動画を作ろう」

1回目 撮影の基礎〈インタビュー撮影〉
内容:出演者、インタビュアー、撮影者の3人1組で、1人ずつインタビュー動画を撮影する。ニックネーム、趣味、好きな食べ物や音楽などの質問をして、カメラに向かって答える。時間は約1分。
ゴール:適切な構図での撮影ができる。質問をする側と受ける側を体験して、インタビュー撮影ができる。
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