金利上昇を予想する、住宅ローン利用者が急増 超低金利も「そろそろ終わり」と思う人が増えてきた?
ただし、同調査によると、住宅ローンを選んだ決め手は「金利が低いこと」という理由が全体の66%と依然として圧倒的に高い。一方、「将来、金利が上昇する可能性があるので、将来の返済額をあらかじめ確定しておきたかった」という割合が全体の16.5%(前回調査は13.5%)に上昇し、固定金利型の利用割合も増えている。足元では景気回復基調が強まっていることから、将来の金利上昇を予想し、ローンの利息負担増加を警戒する人が増えているわけだ。
もうはまだなり、まだはもうなり
一方、機構が公表した別の実態調査を見ると、変動型金利の利用割合(単月ベース)は4月まで40%半ばから後半だったものが、市場金利が上昇した5月には32%に低下。これは08年11月調査の31%以来の低さだ。ところが、債券市場が落ち着いて、再び市場金利がジワジワと下がり始めた6月には、変動型の利用割合が44%に上昇している。同調査は調査対象が200人台と少ないものの、変動型金利には依然として根強い人気があることが伺える。
株式相場の格言には、『もうはまだなり、まだはもうなり』というものがある。その意味するところは、「もう底だと思えるようなときは、まだ下値があるのではないかと一応考えてみなさい。反対に、まだ下がるのではないかと思うときは、もうこのへんが底かもしれないと反省してみてはどうか」(日本証券業協会ホームページから引用)というもの。
これを金利に置き換えてみると、今回の実態調査では「まだ住宅ローン金利は下がると思っていたが、さすがにもう底ではないか」と思い始めた人が増え、固定金利型の住宅ローンを利用して金利上昇リスクをヘッジしたといえる。足元では日銀の膨大な国債買い入れによる金融緩和が効いており、市場金利は低く抑えられ、6月以降はじりじりと低下している。そうした中でも、固定金利タイプの利用割合が増えていくようだと、住宅ローン利用者の金利見通しは確実に変わってきているといえそうだ。
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