仕事がダメな男はネクタイの作法を知らない 色､長さ､幅――あなたは意識していますか

ネクタイの色、どこまで意識していますか？（写真は筆者提供）

人の心は色に反応します。色は、反射した光の波長であって、これが視覚から脳に信号として刺激を与えるからこそ、心は色に反応するといわれています。ちまたで有名な色彩心理学は、それぞれの色が心に与える影響をまとめた学問だったのです。

「情熱の赤」は、ビジネスシーンにおいて、パワースタイルとして有名ですが、プレゼンで効果的なネクタイ色は、必ずしも赤だけではありません。数字・統計を用いて論理的な説得力を強化する色に「茶色」があります。また、企画の強みがクリエイティブであるとき、その創造性を強化する色は「ターコイズブルー」だといわれています。

非言語メッセージとして、色の有効性に気づいているビジネスマンは、戦略的にネクタイを選んでいます。こういうビジネスマンは、「人に伝わることの重要性」を認識している人だと読み取れるのではないでしょうか？ 

ところが、ネクタイ戦略は、これだけではありませんでした。色より重要なことを教えます。

誰も教えてくれなかった！ ネクタイ剣先の位置

あなたの周りに、ネクタイが短すぎる人・長すぎる人はいませんか？ 短すぎる剣先が抜けた印象を生むように、長すぎる剣先はだらしなく映ります。

お笑い芸人「芋洗坂係長」のネクタイはものすごく短いのをご存じの人も多いでしょう。短すぎるネクタイの剣先から隙が生まれ、抜けた印象を強調しています。ネクタイ戦略といったとき、色彩心理学の分野に終始しがちですが、実は、ネクタイ剣先が適正な位置で収まっていることが、最も重要だったのです。

締めたネクタイの剣先が、「直立でベルト位置に収まる長さ」、これがジャストだといわれています。

いったいなぜこんなにも結んだネクタイの長さに差ができるのでしょうか？ その秘密は、ネクタイの長さにあるのかもしれません。外国製のネクタイは、国内の規格より長いこともあるからです。筆者が旅先のグアムで購入したポール・スミスのネクタイの長さは、160センチメートル程度でした。

一方、国内のツープライススーツ量販店SUIT SELECT（コナカ）のネクタイは147.5センチメートル。また、伊勢丹メンズ館で購入した国内メーカー規格のネクタイは149センチメートルでした。「ネクタイの長さが異なるからこそ、いつもと同じ結び方であっても剣先位置が変わってしまう！」という盲点があったのです。