NSGグループ
NSGグループの新潟医療福祉大学健康スポーツ学科の山本悦史講師、立命館大学の中西純司教授の研究論文が、日本スポーツ産業学会「令和6年度 学会賞」に選定され、7月12日に表彰式が行われました。
企業がプロスポーツクラブとパートナーシップ契約(スポンサー契約)を結ぶ際に、「社内でどのように正当化され、どのような共感が生まれていくのか」、その意思決定のプロセスに焦点を当てた質的分析が高く評価されました。

左)日本スポーツ産業学会 尾山基会長(株式会社アシックス シニアアドバイザー)、右)新潟医療福祉大学健康スポーツ学科 山本悦史講師
■研究論文について
【研究概要】
プロスポーツクラブとスポンサー企業の関係性(パートナーシップ)が形成・強化されていく要因を解明することを目的に、サッカーJリーグ・水戸ホーリーホックとそのオフィシャルパートナー企業であるJX金属株式会社のパートナーシップ契約に関するケーススタディを実行しました。ドキュメント資料の収集、関係者に対するインタビュー調査、さらには約16ヶ月間の参与観察といった複数の調査手法を用いて、パートナー企業側の意思決定プロセスやクラブに対する共感の実態を明らかにしました。
【研究のポイント】
・パートナー企業における「資源動員の創造的正当化」
・クラブに対する「共感の醸成」
本研究では、企業がプロスポーツクラブとのパートナーシップ契約締結や契約料の増額に踏み切る際、社内での資源動員を正当化する必要があること、そしてその正当化には多様な理由の共存状態やオピニオンリーダーの存在、企業の組織特性(構造・文化・規模)といった複数の要因が影響していることが明らかになりました。また、クラブのビジョンや経営改革、ブランドイメージに対するパートナー企業側の共感が、企業とクラブの関係強化を促進している可能性が示唆されました。これらの結果から、プロスポーツクラブ経営においては、ターゲットとなる企業の組織内部における「資源動員の正当化プロセス」の実態を適切に把握・理解し、これらの正当化を促進するための「理由(正当性)」を効果的に生み出していくことの重要性が確認されました。さらに、パートナー企業においても、クラブやこれらを取り巻く多様なステークホルダー(地方自治体や他のパートナー企業、ファン・サポーターなど)との間で「共通価値の創造(Creating Shared Value)」を図っていくことによって、それまでには得られなかったような経営成果(認知度や従業員満足の向上、地域社会における信頼の獲得や新たなネットワークの構築など)が生み出される可能性が示されました。
【研究結果】
企業(JX金属)とプロスポーツクラブ(水戸ホーリーホック)のパートナーシップ形成・強化過程では、「パートナー企業における資源動員の創造的正当化」と「クラブに対する共感の醸成」といった2つの要因が重要な役割を果たしていた可能性が示唆されました。また、JX金属内部における資源動員の正当化プロセスにおいては、多様な理由(正当性)の共存状態、オピニオンリーダーの存在、組織特性(構造・文化・規模)といった3つの事象が確認されました。それと同時に、水戸ホーリーホックに対するJX金属の共感が醸成されていく過程では、クラブのビジョン・ミッション・ブランドプロミス、経営改革、ブランドイメージといった3つの要素に対する共感が生まれていたことが明らかになりました。

【論文情報】
タイトル:「プロスポーツクラブ経営におけるパートナーシップ形成・強化要因の質的分析:オフィシャルパートナー企業の意思決定プロセスに注目して」
著者:新潟医療福祉大学 健康科学部 山本悦史、立命館大学 産業社会学部 中西純司
掲載誌:スポーツ産業学研究 第34巻 第2号、pp.81-103.
【研究者情報】
新潟医療福祉大学健康スポーツ学科
講師 山本悦史
【新潟医療福祉大学】 https://www.nuhw.ac.jp/
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