さらに県は「鉄道を維持した場合には、年間約10億円規模の赤字額が発生する」という試算を示しているが、「輸送密度が同程度の第三セクター鉄道である松浦鉄道は、平成筑豊鉄道の49.2kmよりも長い93.8kmの路線を運営しながら年間の赤字額は1.3億円となっている」。
鉄道の代替交通について、県は路線バスではなく、鉄道車両よりも乗車定員がはるかに劣る「白ナンバー車両」を用いたコミュニティバスを沿線自治体やNPO法人などに委託して運行することを想定している。こうしたことから、現在の鉄道の輸送力を完全にカバーできるのかという懸念は払拭できない。
平成筑豊鉄道では、2020年にラッシュ対策として、既存のディーゼル車のボックスシートを撤去し、ロングシート化改造を行っている。それだけの乗客をコミュニティバスで代替するのは、物理的に不可能ではないかという指摘も根強い。
では、なぜ沿線自治体は、このような無理のある計画に基づいて平成筑豊鉄道の廃止、バス転換を容認したのだろうか。元自治体職員は以下のように説明する。
「国からの交付金は、まず福岡県に全60市町村分の金額が入り、それを県の裁量で各自治体に配分している。各自治体から県に対する交付金申請は、満額がつかないことも多々ある。仮に県に不手際があったとしても、自治体の立場では、交付金やほかの補助金申請などで不利益処分を受けるリスクがあることから県に忖度せざるを得ない」
福岡県議会の問題
そんな福岡県であるが、県議会議員の約2億8000万円に及ぶ高額な海外視察費を公費で賄ったということが問題視されている。2023年度以降の約3年間で25回の海外視察を実施。県議4名で実施したハワイ視察では、航空券はビジネスクラスを使用し、1泊11万円のホテルに3泊。1人およそ300万円の費用がかかったという。
さらに旅行会社との契約方式も問題視された。入札の必要のない随意契約が常態化しており、約99万円の契約が920万円増額され1000万円を超える金額を支出した事例なども報道された。

