空前の麻辣湯(マーラータン)ブームが続いている。好きな具材を選び、重さで値段が決まる。辛さも麺も選べる。この「自分だけの一杯」を作る体験が、若い女性を中心に支持を集めてきた。
ブームの立役者は、2007年に東京・渋谷で創業した「七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)」だ。2025年9月末に40店舗だった店舗網は、2026年1月末に57店舗、同年9月4日時点では76店舗まで広がった。約1年で1.9倍になった計算だ。10月16日には京都・河原町三条店の開業も控える。
追う側はどうか。中国を中心に世界で7000店以上を展開する「楊國福麻辣湯」は、日本では26店舗(2026年7月時点)。大分発の「福恩麻辣湯」も35店舗の出店が決まったと発表し、100店舗体制を掲げる。それでも店舗網の規模では、七宝が頭一つ抜けた存在だ。
そんな麻辣湯市場に、外食大手が新たな一手を打ち始めた。「菜菜麻辣湯(サイサイマーラータン)」だ。「流行ってるから麻辣湯の店を出してるのか」と思った人もいるかもしれないが、店を訪れると"パクリ"や"二番煎じ"といった言葉はふさわしくないと思えるほど、しっかり戦略が練られていることがわかってくる。
運営は「しゃぶ菜」「磯丸水産」のグループ
菜菜麻辣湯を新業態として立ち上げ、店舗展開を進めてきたのは、クリエイト・レストランツだ。しゃぶしゃぶ食べ放題の「しゃぶ菜」などを手がける会社で、親会社のクリエイト・レストランツ・ホールディングスは、海鮮居酒屋「磯丸水産」なども傘下に持つ外食大手である。
同社はもともと、ショッピングセンター内のレストランやフードコートの運営を得意としてきた。菜菜麻辣湯も、その得意な土俵で勝負している。同社は2026年2月期第3四半期の決算短信で、健康志向の高まりなど多様なニーズを捉えた新業態として、ベーグルや牛かつ専門店と並べて麻辣湯を挙げている。既存店を菜菜麻辣湯に業態変更した例もあるという。


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