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スシロー1000店舗突破、3店に1店が海外—急成長の裏に数字では見えない"慎重すぎる"海外戦略

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スシロー注文画面
北京のスシローで食べてみた(写真:筆者撮影)
  • 浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)
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10月に上陸するアメリカでも、似た手順が見られる。

F&LCは2024年4月、ボストンに大衆寿司居酒屋「Sakabayashi Sushi Tavern Back Bay」をオープンした。加藤副社長によると、約2年間にわたり、アメリカで寿司がどのような場面で食べられるのかを検証した上で、人口が集積し、価格に見合う価値への要求が高いニューヨークをスシロー・アメリカ1号店の出店先に選んだ。

中国で順調に拡大し、次はニューヨークの一等地へ。一見華々しく見えるが、実際には慎重に、長めの助走期間を設けて市場を観察していることがうかがえる。

筆者はスシローが台湾に進出する前の2017年、当時社長だった水留浩一氏を取材した。水留氏は米食文化が浸透するアジアへの進出計画を明かし、「低価格で、お財布を気にせず普段使いできる店というのがスシローの考え方。ニューヨークやパリといった場所は考えていません」と語っていた。

その言葉通りスシローをアジア8カ国・地域に出店した。2026年9月期には海外売上比率が約35%に達する見通しだ。

新たな市場に持ち込む挑戦が始まる

F&LCは2035年に向けた長期ビジョンで、売上高を現在の倍に相当する1兆円以上、海外売上構成比を55%に高めることを目指している。

その実現に向け、太平洋を越えてアメリカ市場を開拓する機が熟したと判断した。

ニューヨーク・マンハッタンに出店するスシロー・アメリカ1号店の寿司は、1皿5ドルからの4段階。日本円換算では800円からとなるが、中国と同じく「1皿100円」の記憶がない市場で、周辺の寿司店と比べて勝負できる価格を打ち出す。さらに「チップ不要」でお得感を上乗せした。

日本の価格競争で磨いた調達力や商品開発力、現場の運営力を、海外でどう価値に変えるか。ニューヨークへの出店では、アジアで得た蓄積を新たな市場に持ち込む挑戦が始まる。

【この記事の前編】中国のスシローは安くない、1皿600円超でも大行列——日本とは違う「プチ贅沢」の正体《北京の店舗に行ってみた》

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