依頼主も同じだった。異変の気配は感じていたが、なかなか家に入れてもらえなかった。
「年末に体調を悪くされたときに伺ったんですけど、こういう状態だったので、もう家には入れてもらえなくて。危険だなというふうには感じてたんですけど」(依頼主)
実際に部屋の様子を見たのは、体調を崩して入院した後のことだった。誰にも気づかれないうちに、部屋はゴミ屋敷になっていった。
部屋中にある「姉の写真」と思い出の痕跡
この部屋には、もう1つ大きな特徴があった。部屋中から見つかった”姉の写真”である。男性の近しい親族は、姉が1人だけだった。その姉も数年前に亡くなっている。子どもはおらず、ほかに身寄りはない。
「お姉さんは別の一軒家に住んでいたみたいなんですよ。そこもまだ手つかずで残っていて。今回のご依頼とは別に、その一軒家も私たちで片付けることになりそうです」(二見氏)
枕元には、姉が写ったアルバムが大量に積まれていた。若い頃の写真、2人で出かけた旅行の写真、何気ない日常の一コマ、そして闘病中だった姉を病室で撮影したものまで。写真は大切そうにアルバムに分類され、仏壇のまわりには額装されたものが飾られていた。
部屋の中は、姉の写真ばかりだった。
「たぶんお姉さんが亡くなる寸前まで、ずっと写真を撮っていたんでしょうね。カメラが趣味だから、いろんな写真を撮っていたんだと思います。本当に、お姉さんのことがめちゃくちゃ大好きやったんやろうなと思います」(二見氏)
部屋の住人には近しい身寄りはいなかった。1人きりで暮らす部屋の中には、亡き姉との思い出があちこちに残されていた。


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