男性の住まいは同じマンション内に2つあった。主に生活していた分譲の部屋と、隣にも借りていた賃貸の部屋である。
「本が好きな方だったので、あっち(賃貸)を物置部屋みたいに使っていたんだと思いますね」(二見氏)
隣の賃貸の部屋は生活の気配がまるでなく、床に本が並べられているだけだ。
「生活していた分譲のほうの部屋では、布団が敷かれているキッチンとお風呂を行き来していたのではないでしょうか。奥の部屋はもともと趣味の部屋だったと思うんですけど、本が増えていって、もう入りきらなくなったんだと思うんですよね。キッチンに布団を敷いて、ご飯を食べて、トイレで用を足してお風呂入って。もうここだけが生活動線になっていたんだと思います」(二見氏)
この日、搬出した紙類だけで約1500kgにのぼったという。総勢12名のスタッフが現場に入り、片付けにはおよそ5時間を要した。
生ゴミはない、それでも片付けが必要だった理由
積まれていた本は、小説から雑誌まで幅広い。ほかにも切手やカメラ、絵画や陶器、宝石といった品が出てきた。趣味のモノを買い集め、手元に置いておく暮らしを長く続けてきた人だったのだろう。
二見氏は、いわゆる「ゴミ屋敷」と「モノ屋敷」を区別している。この現場には生ゴミの類いはなく、本や物が散らかっているだけの状態だった。本人が困っていなければ、モノ屋敷を無理に片付ける必要はない、というのが二見氏の考えだ。


※ログイン後、コメント入力が可能です。