2020年2月、石垣島の空から国際線が消えた。
沖縄本島から400km離れた石垣島は、国内のみならず台湾や香港など東アジアからのインバウンド観光客にも人気の島だ。島外との移動は飛行機と船が生命線となる。しかし、コロナ禍を境に国際線が約5年間途絶えてしまったのだ。
そんな石垣島の国際線が、2025年4月に復活。その大きなきっかけを生み出したのは、行政でも大企業でもない、石垣市と同じ八重山地区にある竹富町・黒島出身の又吉良氏(32)だ。29歳の時に業界未経験ながらも銀行から2億円借り入れをして、国際線復活に向けて動いたのだ。
現在は香港、ソウル、台北の各路線に加えて、2026年9月には台湾南部の大都市・高雄への新路線も就航した。石垣市の推計では、国際線復活による2025年度の経済波及効果は約130億円。石垣市の地域GDP約1776億円(23年度時点)と比べても、そのインパクトの大きさがうかがえる。
航空会社の経験があったわけでもないひとりの若者が、一体どのように国際線復活に漕ぎつけたのか?
「2億円借りたのに、財布には1000円」
「難しい話はさておき、とにかく飛行機が好きなんですよ」
又吉氏はそう笑う。用もないのに空港へ行くほど飛行機に魅了された半生だったという。
石垣空港に2020年から国際線が就航しなくなった背景には、航空機の誘導や給油、荷物の積み下ろしなどを担う「グランドハンドリング」の会社がコロナで撤退したことにあった。国内線は各航空会社のグループ会社がグランドハンドリング業務を行うが、国際線の場合はその空港で海外の航空会社を受け入れるために同業務を担う会社が必要だった。


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