「『多分あの人が偉い人かも』という人に名刺を渡して、石垣島がどこにあるのかの説明から始めました」
その行動が、思わぬ展開につながる。名刺配りから1週間後に、又吉氏の電話が鳴った。
「明後日、韓国の本社まで来れますか?」
韓国の航空会社、ジンエアーからだった。又吉氏はすぐさま韓国へ。当時は石垣島からの直行便はもちろん無かったため、一度那覇空港に飛び、そこで韓国便に乗り継ぎ韓国へ飛び、そこで経営陣との商談に臨んだ。
実はこの無茶とも思える日程設定には、又吉氏いわく「本当にやる気があるのかを確かめる意味もあったみたいですね」。その期待に見事に応えてみせた又吉氏は、経営陣の信頼を獲得。その翌日にはジンエアーのメンバーが石垣島を訪問するというスピーディーな展開に。
又吉氏は島のあちこちを案内しながら、国際線復活への思いを伝えた。
その後、ジンエアーの石垣就航が正式に決定。石垣市との協定締結後に開かれた会食の席では、ジンエアーの朴炳律(パク・ビョンリュル)社長が、末席にいた又吉氏を見ながら口を開いた。
「端っこに座っているあの若者が、韓国まで単身で乗り込んできました。我々はその情熱に応えたのです。このことをジンエアーは絶対に忘れません。石垣の皆さんも忘れないでください」
奈良の保安警備事業者も加勢
グランドハンドリング事業以外にも、必要な業務があった。手荷物検査などを行う保安警備事業だ。
「実務経験1年以上っていう条件があったんですよ」
もちろんそのような経験は「ケイトマン・ザ・スカイ」にはなく、ノウハウを持つ社員もいない。知人の知人の知人を伝って、奈良県で同業務を行う「セーフティディフェンスジャパン株式会社」とつながることができた。


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