世界遺産の「石舞台古墳」がJR東京駅八重洲口に出現した。
石舞台古墳とは、三十数個の巨石を積み上げて作られた、奈良県明日香村にある古墳時代後期の古墳。飛鳥エリアのシンボルともいえる存在で、被葬者は飛鳥時代の有力豪族であった蘇我馬子ではないかといわれている。
今年7月26日に世界文化遺産登録が決定した「飛鳥・藤原の宮都」の構成資産の1つでもある。世界遺産登録を祝い、奈良県と近鉄グループホールディングス(GHD)、およびJR東海の3者は8月17日から30日にかけて、東京駅の八重洲口にあるイベントスペースに、1/2スケールで再現した石舞台古墳を展示するコラボ企画を実施した。その大きさに感心したのか、通りすがりの人が、「これ実物大ですか」とスタッフに質問している姿が印象に残った。
なぜ「通らない」奈良をPR?
奈良県、石舞台古墳の最寄駅の飛鳥駅を抱える近鉄GHDが世界遺産登録を祝うのは当然として、なぜJR東海もそこに加わっているのか。少なくともJR東海の新幹線も在来線も奈良県内を運行していない。奈良の観光をPRしてJR東海にどのようなメリットがあるのか。
答えは簡単だ。首都圏在住者が奈良に観光に行く場合、大抵の場合は東海道新幹線に乗って京都まで行き、近鉄線やJR西日本の奈良線に乗り換えるからだ。JR東海は首都圏と京都を往復する新幹線でしっかり稼ぐことができる。つまり、JR東海は首都圏在住者が京都観光する場合と同じ運賃収入を得られるのだ。

