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あの国は日本を裏切った……。新幹線海外輸出の難航や「失敗」が報じられるたび、日本側には非がなく相手国を非難する、そんなフレーズがネットやメディアに氾濫する。しかし、現実はそんなに単純ではない。自動翻訳などでこういった言説がネットを通じて国境を越えて広がっていくさまには、日本人として恥ずかしさを覚える。
新幹線はインドネシアで失注し、インドでは円借款で着工したものの、肝心の新幹線車両の導入が困難とみられる情勢となっている。アメリカのテキサス高速鉄道は着工の糸口が見えない。
そんな中、タイやオーストラリアで新たな高速鉄道プロジェクトの動きが活発化してきた。新幹線導入が有利とする向きもあるが、現実には多難な情勢だ。新幹線はなぜ世界に通用しないのか、検証なしに突き進んでは同じ悲劇を繰り返すだけである。
タイの高速鉄道は「有力候補」
タイの高速鉄道プロジェクトの1つである、バンコク―チェンマイルートに着工に向けた動きが見えてきた。
7月下旬、タイ運輸省は、この第1フェーズとなるバンコク―ピッサヌローク間(約380km)を2027年の事業計画に組み込むための閣議承認を求める用意があると発表した。2030年の着工、2036年の開業を目指すという。総工費は約2760億バーツ(約1兆2880億円)で、円借款を活用した政府開発援助(ODA)スキームで賄うことが想定されている。いわゆる日本の技術、製品の調達を貸し付け条件とした「ひも付き」案件となり、つまり、新幹線システムの導入が前提となっている。

