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「新幹線」タイやオーストラリアを走る日は来るか インド輸出は「難航」、このままでは世界に通用しない

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新幹線E5系
東北新幹線のE5系。当初インド高速鉄道ではE5系ベースの車両が導入される計画だった(撮影:今井康一)
  • 高木 聡 アジアン鉄道ライター
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当初、2023年開業を目指したインド高速鉄道だが、いまだに明確な全線の開業時期は見通せない。その間、コストは上がり続け、もはや当初予算の2倍、約1兆9800億ルピー(約3兆1960億円)にまで膨れ上がることが確実視されている。増加分に対して、日本政府は追加の円借款を供与する予定は現時点ではなく、この分はインド政府が用意する必要がある。同時にインド側予算での調達分には「日本製品縛り」はないという解釈から、新幹線システム一式を導入するという前提条件が崩れ去った。

例えば、インドの大手英字日刊新聞Hindustan Timesは2024年11月に「政府は高速鉄道計画の代替案として日本以外の選択肢を検討している」というタイトルで、日本側が期限を守らない、プロジェクトを迅速化するために欧州仕様で代替することも検討しなければならないとするプロジェクト関係者のコメントを掲載した。

日本側が期限を守らないというのは、価格交渉の部分と推測される。当時、東北新幹線で用いられているE5系を導入する計画でいたことから、参入するメーカーは一部に限られていた。同時に、信号システムや諸々も東北新幹線と同じものでなくてはならない。

2018年の日印首脳会談後の記者会見で、スクリーンに映し出された「インド新幹線」のイメージ。E5系を赤くしたようなイメージ画像だ=2018年10月29日(写真:Bloomberg)

欧州メーカーが日本を警戒?

2024年にインド高速鉄道の運営主体であるインド高速鉄道公社は、本開業前の先行導入車両という名目で、国内メーカーにE5系の6割程度の価格で最高時速280kmのB28と名乗る車両を2編成発注した。

さらに翌年1月、同社は欧州仕様の信号システム調達メーカー選定の入札を行い、フランスのアルストム、ドイツのシーメンスが筆頭となる企業連合が応札し、シーメンスの企業連合が破格とも言える約410億ルピー(約660億円)で受注した。欧州列車制御システム(ETCS)レベル2に基づく信号および列車制御技術を導入、最高時速350kmの列車運行を実現すると発表した。今年8月には保守用機材の調達契約を韓国企業と結んだ。

インドの高速鉄道は、他国との接続は現時点で考慮されていないが、信号システムに国際規格の適用を求めている。国内に7000kmの高速鉄道整備というビジョンがあり、既に一部路線は建設着工に向けた動きが出始めている。インドに現地法人を持つアルストムやシーメンスは、現地の鉄道メーカーや鉄道事業者のみならず政府内部にも強いパイプを持っており、現職のヴァイシュナウ鉄道大臣はシーメンスの出身ですらある。

インドにあるアルストムの車両工場。同社やシーメンスといった欧州メーカーは現地メーカーや鉄道、政府に強いパイプを持っている(写真:Bloomberg)

もし、最初の区間が新幹線方式で建設された場合、残りの線区も同じく日本仕様で固められる可能性がある。今後、高速鉄道拡大のフェーズに突入する中、欧州メーカーこそが日本仕様の拡大を警戒しているともいえる。

【写真を見る】「新幹線」タイやオーストラリアを走る日は来るか インド輸出は「難航」、このままでは世界に通用しない(24枚)
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