有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス #鉄道最前線

JR東海と近鉄、奈良観光「安い浅い狭い」脱却の秘策 「鹿にせんべいあげて帰る」から滞在型に転換なるか

10分で読める
東京駅 石舞台古墳 世界文化遺産登録
奈良県やJR東海、近鉄グループが東京駅に展示した1/2スケールの「石舞台古墳」(記者撮影)
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES

今年6月には星野リゾートが明治期の名建築物として国の重要文化財に登録されている旧奈良監獄を保存・再生した「星のや奈良監獄」を奈良市内にオープンした。客室は全48室で全室スイートルーム。独居房などをつなぎ合わせて1つの客室に整備した。「奈良監獄ミュージアム」も併設。話題性は抜群だ。

「星のや奈良監獄」の表門(記者撮影)

JR東海も近鉄奈良駅の近くにハイアットと提携した100室規模のラグジュアリーホテルを2030年度に開業する予定であり、こうしたエッジの利いたハイエンドなホテルが牽引する形で、奈良県内で宿泊するモチベーションが徐々に醸成されていくだろう。

「奈良の夜はつまらない」という指摘も以前からある。多くの飲食街が夜が更ける前に店を閉めてしまうからだ。ナイトライフ対策として、奈良市は「奈良市には世界的に有名なバーテンダーがおり、若手バーテンダーの出店も加速している」とアピール。市内のBAR(バー)マップを作成するなど、夜の需要喚起に躍起だ。

「鹿にせんべいをあげて帰ってしまう」

ただ、ホテルやナイトライフが充実すれば、宿泊者数が増えるかというと、そう簡単ではない。「奈良公園の鹿にせんべいをあげたら帰ってしまう人もいる」とある観光関係者が嘆いた。実際、観光客は国内・インバウンドともに奈良公園付近に集中し、他エリアをほとんど訪れていないという現状が「奈良県の観光データ」に示されている。

宿泊者数が少なく、観光エリアは奈良公園付近のみ。こんな観光の現状を県は「安い(観光消費額が非常に少ない)、浅い(奈良の滞在が短く、奈良を深く知らない)、狭い(観光客が奈良公園周辺に集中)」と表現している。現状脱却のカギは日帰り観光から滞在型観光への転換だ。

奈良公園の鹿と観光客。「鹿にせんべいをあげて帰ってしまう」と嘆く観光関係者もいる(写真:ko-bayashi/PIXTA)
【写真を見る】JR東海と近鉄、奈良観光「安い浅い狭い」脱却の秘策 「鹿にせんべいあげて帰る」から滞在型に転換なるか(7枚)
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数