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入院できる病院もない《廃墟の残る、人口1007人の町》で全戸にタブレット配布…「ほぼ全員が反対した」政策を推進した結末

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笠置町
自然が多く、人けのない笠置町内の様子(写真:筆者撮影)

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「町の人口がどんどん減って、入院できる病院もない。これ、日本の最先端なんですよ」

笠置町長・山本篤志さん(55)は、前編でそう言い切った。京都府の南部、相楽(そうらく)郡笠置(かさぎ)町は、人口1007人(2026年7月)の西日本で最も「人が少ない町」だ。町の面積のうち8割は森林。そのトップが語る「最先端」とは、いったいどのような意味なのか。

告示1週間前の出馬表明、公約は「スラスラ書けた」

笠置町長の山本篤志さん(写真:筆者撮影)

山本さんは1970年、笠置町で生まれた。父方の実家が町内にあったが、1歳前後に父の仕事の都合で隣接する木津川市山城町へ引っ越し、育った。一人っ子で、鉄道好きな少年。小学校高学年の頃には「プログラマーになる」と言って、父のマイコンを借りて没頭するようになる。

幼少期の山本さん(写真:笠置町提供)

中高では吹奏楽部でトロンボーンやパーカッションを担当し、坂本龍一らのYMOに影響を受けてコンピューター音楽にも憧れた。京都府立商業高校情報処理科(現・京都すばる高校)を卒業して、IT関連の仕事ができる八幡市役所に就職した。

以来28年、税務とITを掛け合わせた業務改善に携わった。

「業務時間や時間外が100何時間もあったやつを、10時間に減らすとか、そういうのをずっとやってきましたね」

固定資産税の管理システムにも貢献し、全国から視察や講演の依頼が年10回ほど舞い込んだ。しかし八幡市役所新庁舎の建て替え計画が持ち上がり、2023年に開庁予定が決まった。それに伴い、山本さんは2018年に住民と接することのない内部の部署へ異動を命じられる。

八幡市役所の職員時代、税務の講演で話す山本さん(写真:笠置町提供)
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