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入院できる病院もない《廃墟の残る、人口1007人の町》で全戸にタブレット配布…「ほぼ全員が反対した」政策を推進した結末

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笠置町
自然が多く、人けのない笠置町内の様子(写真:筆者撮影)
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タブレット内に入っているゲームを見せてくれた山本町長(写真:筆者撮影)

「タブレットの中に入っているゲームがあるんです。予想外だったんですが、これをみんな脳トレ代わりにしてるみたいで(笑)。でもタブレットを触ってもらうことで、こちらは安否が確認できるので」

シナリオどおりではなかったが、住民が自発的にタブレットに触れ続けること自体が、結果的に見守りの機能を果たしているのだ。このほかに、住民の足となるデマンドタクシーの予約や買い物支援システムなど、タブレットを介して便利な生活への構想も広がっている。

町長の言う「日本の最先端の町」が、今まさに動き出しているのかもしれない。

町民の足となるデマンドタクシー「村タク」が2025年に運行開始。山本町長(中央)(写真:笠置町提供)

町立100年の節目へ、町の記憶を残す

山本さんにはもう一つ取り組みたいことがある。町の歴史をまとめることだ。この発想も、根底にあるのは住民とのコミュニケーションだという。

「町で生きてきた人たちの歴史がしっかりあるんだから、それを残す町史編纂は絶対にやりたいんです」

昭和56年当時の笠置小学校(写真:笠置町提供)

あと8年で、笠置町は町立100周年を迎える。明治6年(1873年)創立の笠置小学校だけでも153年の歴史がある。

「それぐらいの歴史があるのに何の記録もないんです。あと、今おられる住民さんの活気を取り戻したくて」

年代は分からないが笠置町の「料理旅館笠置菊水温泉」とある(写真:笠置町提供)

町史をまとめるためには、住民一人ひとりに声をかけ、資料を掘り出してもらう必要がある。そして「うちの家にこんな資料があった」というやり取りそのものが、また一つの盛り上がりになると町長は考える。子どもの頃の写真、祖父が写った写真。一枚の写真を囲んで、住民同士が語り合う場を作りたいという。

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