「タブレットの中に入っているゲームがあるんです。予想外だったんですが、これをみんな脳トレ代わりにしてるみたいで(笑)。でもタブレットを触ってもらうことで、こちらは安否が確認できるので」
シナリオどおりではなかったが、住民が自発的にタブレットに触れ続けること自体が、結果的に見守りの機能を果たしているのだ。このほかに、住民の足となるデマンドタクシーの予約や買い物支援システムなど、タブレットを介して便利な生活への構想も広がっている。
町長の言う「日本の最先端の町」が、今まさに動き出しているのかもしれない。
町立100年の節目へ、町の記憶を残す
山本さんにはもう一つ取り組みたいことがある。町の歴史をまとめることだ。この発想も、根底にあるのは住民とのコミュニケーションだという。
「町で生きてきた人たちの歴史がしっかりあるんだから、それを残す町史編纂は絶対にやりたいんです」
あと8年で、笠置町は町立100周年を迎える。明治6年(1873年)創立の笠置小学校だけでも153年の歴史がある。
「それぐらいの歴史があるのに何の記録もないんです。あと、今おられる住民さんの活気を取り戻したくて」
町史をまとめるためには、住民一人ひとりに声をかけ、資料を掘り出してもらう必要がある。そして「うちの家にこんな資料があった」というやり取りそのものが、また一つの盛り上がりになると町長は考える。子どもの頃の写真、祖父が写った写真。一枚の写真を囲んで、住民同士が語り合う場を作りたいという。


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