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京都府の南部、相楽(そうらく)郡笠置(かさぎ)町は人口1007人(2026年7月)の西日本で最も「人が少ない町」だ。町の面積のうち8割は森林。中央を東西に流れる木津川があり、この川沿いに「廃墟ホテル」がある。肝試しスポットとして行くYouTuberもいるが(侵入禁止)、その正体は1962年に開業した笠置観光ホテルだ。
当時、国道163号からホテルへと続く道は多くの観光客でにぎわっていた。しかし1980年3月にホテルの裏山にトンネルが開通し、交通の流れは変わった。その後、ホテルは廃業。町の衰退はこれで止まらず、約30年後には町営の温泉施設も休業した。
それでもこの町には2025年、15万8356人の観光客が訪れた。失われず、今も町を支えているものがあるからだ。100年以上眠っていた炭酸水の歴史を掘り起こして発売されたドリンクや、年間約8万人(2025年)が訪れる、あるスポットだ。しかし、それだけではない。
この町から一体何が消え、何が生き残っているのか。町を歩いてみると、意外な答えが見えてきた。
解体も再生もできない「廃墟ホテル」
笠置町役場、希望のまち推進課主任の丸山紗瑛さんと筆者の二人は川を左手に遊歩道を進んだ。5月だったが、道はうっそうとした茂みに覆われている。目的は対岸に見える廃墟ホテル。すれ違う人は誰もいない山道だ。
「トンネルができる前は、ホテルの真下までいけたんです。今は通行禁止で」
丸山さんはそう教えてくれた。


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