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温泉が消えた「人口1007人の町」に観光客15万8356人…30年間解体できない《廃墟ホテル》と、100年ぶりに復活した「飲み物」

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廃墟となった笠置観光ホテル
廃墟となった笠置観光ホテル(写真:筆者撮影)
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遊歩道脇の川原には巨大な岩がごろごろある。これで自然のボルダリングアクティビティーを行っている(写真:筆者撮影)

15分ほど歩き、少し小高い場所に来た。先ほどまで左手すぐの川原に転がっていた直径4mほどの巨大な岩は、はるか下に見える。

「もうすぐホテルが見えるはずです」

と言って、早歩きになる丸山さん。

木津川、遊歩道と関西本線が平行にはしる。筆者を先導してくれる丸山さん(写真:筆者撮影)

筆者は遊歩道の真横に関西本線の線路があることを珍しく思い、カメラを準備した。フェンス越しに線路を覗き込むと、ちょうど1両編成の列車が通り過ぎた。ちょっとした探検に来たような感覚になった。

一両編成の列車が目の前を通りすぎる。列車との距離が近い(写真:筆者撮影)

「ホテル、見えてきました!」

丸山さんを追いかけると、対岸中腹の濃い緑の間にグレーの建物が少し見えた。

遠くに見える廃墟ホテル。本来はホテルの下に旧国道が走っていた(写真:筆者撮影)

対岸までは200mほど距離があり、肉眼よりカメラのレンズ越しの方がはっきりと見えた。剥き出しのコンクリート、もともと大きな窓があったのか、ガラスが破損しているので部屋の奥まで見える。スプレーの落書きが、壁のいたる箇所にあった。雨上がりだったせいか、光が当たらない部屋の中は薄暗い。

廃墟ホテル。窓ガラスはなくなり、誰かがした落書きが目立つ(写真:筆者撮影)

笠置観光ホテルは1962年(昭和37年)に開業。多くの観光客でにぎわった時期もあったが、その後は来客数が減少し、採算も悪化し、1990年代に閉業した。

立て直しを試みた経営者が次々と変わり、最後は個人の所有になった。しかし、30年以上経ってもホテルの再建にはつながらないうえに、町も勝手に解体や再活用することができない。また、周囲は落石の危険性もあり、その対策費用が町にとって大きな壁として立ちはだかるという。よって、「廃墟ホテル」として現在まで残っているのだ。

凝った造りが仇に、維持費だけが出ていく温泉施設

「笠置いこいの館」の温泉施設。湯が抜かれたままの浴槽(写真:筆者撮影)

この町が持て余しているのは、廃墟ホテルだけではない。町の中心付近に「笠置いこいの館」という施設がある。1997年に開業した町営の日帰り温泉施設だ。当時は住民や観光客、キャンプ場客でにぎわっていた。しかし観光客の減少で採算が悪化、2019年に営業を終えた。

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