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「申し訳ありませんが、初めてのお客さまにはドモホルンリンクルをお売りできません」
渋いナレーションで独自の哲学を語る「ドモホルンリンクル」のCM。優雅な音楽に乗せて、「まずは無料お試しセットから」と促し、フリーダイヤルに導く。CMが始まると、まるで再生速度を0.5倍速に落としたような、ゆったりとした時間が流れていたのを覚えている。
再春館製薬所が製造・販売するドモホルンリンクルは、年齢肌に特化したスキンケアブランドだ。その独特なテレビCMと販売手法で、日本中の女性に「年を重ねたら、いつかは使うかもしれない」と思わせた。
時は流れ、今や化粧品マーケティングの主戦場はSNSだ。ところが、ドモホルンリンクルを紹介するインフルエンサーは少ない。
――いまの時代、SNS戦略なしで生き残っていけるのだろうか?
この疑問を、再春館製薬所COOの小林珠紀さんに投げてみると、意外な答えが返ってきた。
「それが課題なんですよね」
SNSが不得意、でもリピート率は驚異の90%以上
「たとえば、SNSでクレンジングオイルがバズって、たくさんのお客様に選ばれる。そういうやり方を見ていて、私たちも『楽しそうだな』『うらやましいな』とは思うんです。でも、私たちにとって、その売り方はベストではないと思っています」
もちろんまったくSNS戦略をしていないわけではないが、特化していないのは事実だと小林さんは言う。
ドモホルンリンクルの会員数は約20万人。うち60%が60代以上で、次いで50代、40代と続く。テレビCMが効果的だった時代に、ターゲットとする客層に届いたのだろう。一方で、若い世代にとっては、「名前を知っている程度」かもしれない。


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