新しい顧客にアプローチするためには、必然的にSNSでの認知を獲得しなければならないだろう。
「自分たちでハードルを上げていると思うのですが、同じ土俵に乗るつもりはないんです」
主戦場であるSNSという土俵に乗らないということは、緩やかな売り上げの下降を仕方がないと諦めているのだろうか。しかし次の数字を知ると、その評価は180度変わる。
「ドモホルンリンクルのリピート率は、約94%」(2022年4月実績、3回以上購入者のリピート率)
もちろんこれは、一度購入した人の94%がそのまま使い続けるという意味ではない。しかし、3回以上購入するまで定着した顧客に限れば、その後も継続する割合は極めて高い。
つまり、SNSで一気に認知を広げ、大量の新規顧客を獲得していくことだけが、ドモホルンリンクルの成長戦略ではないのだ。
入口を広げることよりも、顧客になった人と長く付き合う。この考え方を知ると、冒頭の「初めてのお客さまにはお売りできません」という、一見すると商売に逆行するような言葉の意味も少しずつ見えてくる。
定期的に商品をリニューアル。クリームは現在22代目
再春館製薬所は、化粧品メーカーではない。1982年に、廃業寸前になっていた漢方の製薬会社を、西川通子現会長が買い取った。そこで開発されていたのが、日本で初めてコラーゲンを配合した基礎化粧品「ドモホルンリンクル」だった。
1974年のブランド誕生から試行錯誤を重ねつつ、今年で52年を迎えた。
「ドモホルンリンクルは、ずっと同じ商品を販売していると思われがちです。確かに商品名は同じですが、『いまできることのすべてを』という理念のもと、それぞれを定期的にリニューアルしているんです。最初に開発されたクリームは、現在のもので22代目になります」


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