世界全体の漁業生産量(漁業と養殖)は伸び続けています。その中で、例外的に減り続けている国があります。日本です。2025年の日本の漁業生産量は358万トンと、前年からさらに減少し、統計を取り始めた1956年以降で過去最低を更新し続けています。
筆者は2022年に『「魚が獲れない」は世界で日本だけという衝撃事実』というタイトルで、科学的なデータを基にした記事を書き、大きな反響がありました。残念ながら、当時指摘した「漁獲枠が大きすぎて資源管理が機能していない」という構造は今も変わっておらず、その通りの結果が続いています。
サバ、サンマ、スルメイカ、サケ……激減してしまった例は枚挙にいとまがありません。筆者は、資源量の減少を招いているのは水産資源管理のあり方であり、それが漁業生産量の減少につながっていると考えています。解決方法は科学的根拠に基づく資源管理です。しかし、その前提となる正しい情報が社会に伝わっているとは、とても言えません。
水産庁は「国際的にみて遜色がない資源管理システムの導入」を目指しています。それなのに、なぜなかなか進まないのか──。筆者に多くの方から寄せられるこの疑問について、データを基に解説します。
伸び続ける世界全体の漁業生産量(漁業と養殖)
世界全体の漁業生産量が伸びる中で日本だけが減り続けているという深刻なファクトは、マスコミなどであまりフォーカスされていないことから、あまり知られていません。

上の表は、FAOが2008年時点で予想した、2010年から2030年にかけての漁業生産量の伸び率です。世界全体では、海域によって伸び率は異なりますが、23.6%の伸びが予想されていました。その中で、唯一マイナス9%とされたのが、わが国、日本の海域なのです。しかし、驚くのはまだ早いです。


※ログイン後、コメント入力が可能です。