税負担が軽くなるのが最大のメリット〜控除額は勤続年数の長さで決まる
一時金として受け取る場合、給与などの所得とは合算されない「退職所得控除」の適用になり節税効果大。勤続年数が長いほど課税所得を減らす効果があり、所得税は下の計算方法で算出されます。ただし一度にまとまった額を手にするため、お金の管理には注意が必要です。
デメリット:使いすぎるリスクがある
「退職一時金」では、退職所得控除を受けるために必要な「退職所得の受給に関する申告書」の準備がマスト。提出しないと約20%もの所得税が源泉徴収されます。
自分で確定申告をすれば取り戻せますが、退職前に提出すれば面倒な手続きを避けられます。中小企業が多く導入する中退共(中小企業退職金共済)では、企業が届出の後、自分で請求手続きをする必要があります。
<知っておきたい一時金受け取りの二大ルール>
【退職一時金をDB、DC、iDeCoより「先」に受け取る場合】
↓
退職一時金の所得控除には「19年ルール」がある
企業の退職一時金を受け取った後、19年以内にDBや企業型DC、iDeCoを一時金で受給すると、重複する勤続年数と加入期間分の退職所得控除が調整されて減額となります。年金形式で受け取る、控除枠に余裕があればあえて同時期に一時金で受給するなどの工夫を。
↓
DB・企業型DC、iDeCoの所得控除も「10年ルール」へ変更に
以前はDCやiDeCoの一時金を受給して5年以上後に企業の退職一時金を受け取れば、それぞれ満額の退職所得控除が適用されました。しかしこの「5年ルール」は2026年から10年に変更。企業からの一時金の受給時期をずらすのは現実的に難しく、退職までの重複期間分が控除から除外されることになります。
年金形式で受け取る場合と、退職一時金と年金形式を併用する場合は?
【年金形式で受け取る場合】
年金形式で受け取る場合は"雑所得"扱いで、「公的年金等控除」の対象となります。
「公的年金等控除」は下の式で計算しますが、公的年金やiDeCoの年金方式の受け取り分などと合算されるため、将来的な年金受給を想定した受け取り期間の検討が必要になります。年金受け取りは運用益で額面が増えても控除額が小さく、また、社会保険料も増額するため、手取りは一時金より減りがちです。企業の制度やライフプランも含めてシミュレーションのうえ検討しましょう。
■年金形式/退職年金220万円を10年間受け取り
↓
シミュレーション例 額面総収入4700万円、手取り3925万円

