見られ方のズレに気づいていない
自分と他者とのあいだにある認識のズレについて、ひとつ指摘しておきたいことがあります。それは、多くの場合、一番損をするのは“いい人”だ、ということです。
一見、いい人は好かれそうに思えます。けれど現実には、「いい人なのに、なぜか評価されない」「好かれない」というケースが驚くほど多く観察されます。「いい人 ≠ 好かれる人」なのです。
その理由はシンプルです。いい人ほど、自分が“いい人である”という自己評価を強く持っており、同時に必ず存在する“他者からの異なる見え方”を想像できなくなっているからです。
いい人は、こんなふうに自分を見ています。
・誰かを傷つけたくないから、自分が我慢すれば場が収まる
・自分は衝突を避けて平和を守っている。調和を大切にしている
・自分は控え目で謙虚である
自己評価としては、「私は優しい人間だ」「私は和を乱さない人だ」といったイメージを持ちがちなのです。しかし、この善意の自己評価が、実は他者評価と驚くほどズレていることがあります。いい人の“優しさ”は、ときに他者にはこう映ります。
・面倒ごとを避ける人
・問題を他者任せにして、自分では解決しようとしない人
・場を整える気がない人
・替えが利く人
つまり、いい人の“優しい”という自己認識が、他者評価では“回避・無関心・無責任”へと変換されてしまうことがよくあるのです。

