よく、一冊の本との出会いが人生を激変させることがある、と言われます。私にとっては間違いなく、マルクスとの出会いがそれでした。マルクスの本を手に取らなければ、私はまったく違う人生を歩んでいたかもしれないわけで、読書が持つ影響力というのは、やはり非常に大きいと思わざるを得ません。
では、自身の人生も変えてしまう本とどのように出会うか。私のマルクスとの出会いを振り返りながら、考えてみます。
日本政府の姿が、あまりにも情けなく映っていた
私は高校時代までは部活のサッカーに夢中で、本を読む習慣自体があまりありませんでした。とはいえ、熱中して読んだ本がなかったわけではありません。
当時は2000年代の前半。バブル崩壊を経た日本経済は停滞が続いていました。グローバル化の必要性が叫ばれる中、小泉内閣による「聖域なき構造改革」が推し進められ、経済政策が急速に新自由主義的な方に向かおうとしていた時代です。さらに2001年には、アメリカ同時多発テロ事件が起こり、イラク戦争が勃発。多くの反対の声を押し切って、自衛隊のイラク派遣が決定されました。
「日本は米国の言いなりではなく、もっと自立した国にならなくては!」
時代を見ながら、当時の私はそのように感じていました。「自前の軍隊を持つべきだ」などと思っていたわけではありません。ただ、ひたすらブッシュ政権の言いなりになって自衛隊派遣を決定した日本政府の姿が、あまりにも情けなく映っていたのです。

