注文したのは、ロコモコ&ガーリックシュリンプ、マカデミアナッツパンケーキ2段、コナ・ブレンド オリジナルコーヒー、バナナストロベリー。2名で5060円。食事は注文から15分ほどで運ばれ、パンケーキはそのおよそ10分後だった。17時半を過ぎたころ、店内の照明がふっと夜の色に変わり、17時45分を過ぎるとアルコールを頼む客も出てきた。
店を出て浮かんだのは、「人に教えたいし、誰かを連れてまた来たい」という感覚だった。少なくともたまプラーザ店のCafe & Restaurant型で見えたのは、パンケーキを入口にしながら、食事もドリンクも会話も、同じテーブルで受け止める空間そのものだった。
では、なぜこの店は、住宅地に近いこの場所で成立しているのか。
外食・娯楽支出が厚い郊外商圏で、「非日常」が日常利用される理由
たまプラーザ駅周辺は、横浜市青葉区と川崎市宮前区にまたがる商業エリアだ。たまプラーザ テラスが広告主向けに公開している2024年3月更新の「イベントスペース&メディアガイド」では、この商圏を、全国有数の平均世帯年収が高いエリアとし、教育・娯楽・外食・ファッション関連支出の厚さを示している。青葉区の1世帯あたりの消費支出は月39万2000円で、横浜市平均の32万9000円を上回る。
ただし、この数字をそのまま「だからファミリー層に強い」と結びつけるのは早計だ。今回の17時台の現地観察で目立ったのは、子連れファミリーではなく、女性グループやカップル、シニアだった。商圏データが示す豊かさと、現地で実際に見えた客層は、必ずしも一致しない。
むしろ素直に読めるのは、こうだ。郊外の住宅地で選ばれているのは、パンケーキという単品だけではなく、「誰かと少し非日常の時間を過ごせる空間」そのものなのではないか。

