フランスの極右政党「国民戦線」(RN)前党首のマリーヌ・ルペン国民議会議員(57)は、2027年春行われる大統領選の出馬をめぐり苦境に立たされていた。
4度目の出馬を阻んでいたのは25年3月、有罪判決が下された公金不正流用に対する5年間の被選挙権停止および禁錮刑が言い渡されていたことだ。RN側は控訴院に上告して26年7月7日、刑罰は禁錮3年(うち2年が執行猶予、残る1年は電子ブレスレット着用による監視処分)、被選挙権停止は15カ月に減刑された。
結果的に、被選挙権停止は25年3月から適応されており、立候補は可能となったが、電子ブレスレット着用義務は消えていない。ルペン氏本人は「電子ブレスレットを着用したままの選挙運動は行わない」と何度も発言している。
ルペン氏「私は大統領候補だ」
減刑の判決が下された7月7日夜のフランスのTV局TF1の報道番組に出演して、破棄院(最高裁)に上告する意向を示すとともに「私が(大統領選の)立候補者だ」と出馬の意向を明確にした。同時に、大統領になった場合、現在のバルデラ党首を首相に任命することを表明した。
ただ、下級院の下した判決の事実再確認などはしない破棄院による判決の合法性の判断は、ルペン氏の運命を今後も左右しうるという懸念は消えていない。ルペン氏は「司法は間違った判断はしないと期待している」と述べているが、三権分立が明確なフランスでは、サルコジ元大統領の選挙資金不正調達で電子ブレスレット着用の刑が下されたこともある。
仮に破棄院が棄却すれば、刑確定者の大統領候補は許されるのかという疑問が残る。そこで注目されるのは、RNにとって大統領選「Bプラン」とされる同党党首バルデラ氏がルペン氏に代わり出馬することだ。
バルデラ氏は現在30歳。世論調査では大統領有力候補でルペン氏を上回るトップの座を獲得しており、大統領ポストに最も近い男とされている。ルペン氏が選挙を継続し、大統領に就任した場合でも、前述したように首相ポストが用意されている。

