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2027年のフランス大統領選、ルペン氏「復活」で大混戦へ、支持率首位バルデラ氏を待つ"王女熱愛"という新たな試練

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2026年3月に行われたフランス地方選挙でのポスター。左がルペン氏、右がバルデラ氏(写真:2026 Bloomberg Finance LP)
  • 安部 雅延 国際ジャーナリスト(フランス在住)
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ルペン氏とバルデラ氏は、互いに尊敬する関係にあり、権力闘争は表面化していない。バルデラ氏はルペン氏なしに党首に就くことはなかったし、ルペン氏の大統領職への執念を誰よりも知っている人物だ。

事実、RNを国民議会(下院)議席最多の122議席(全577議席中)を占め、単独政党では最多の議席数を獲得し、政権奪取に王手をかける政党に押し上げたのはルペン氏だ。

ルペン氏の父親であるジャン=マリ・ルペン氏は、RNの前身となる極右政党の国民戦線(FN)の創設者だ。1970年代に台頭した共産主義に反対し、80年代には左派ミッテラン政権で急増したアラブ系移民の排撃で支持を伸ばしていった。

ただドイツのホロコーストを軽視し、ネオナチを擁護し、人種差別発言を繰り返したことで有権者の多くに嫌われ、02年の大統領選で決選投票にまで残ったルペン氏に対して、シラク現職大統領は80%を超える得票率で当選し、フランス世論の父ルペン氏への嫌悪感が露わになった。

父がもたらしたイメージ悪化を改善

かつて父ルペンのもとでRNの参謀だった娘ルペン氏は、選挙対策の責任者として父親が作った「悪魔」という悪いイメージに苦しめられてきた。2011年に党首に選出された娘ルペン氏は一貫して庶民派のソフト路線に舵を切り、社会的弱者に寄り添う政策を打ち出し、支持を拡大していった。

とはいえ、極右のイメージ払拭に至るには時間を要したが、12年の大統領選は、現職のサルコジ候補、オランド社会党候補に次ぎ、第1回投票で3位となった。

その後、父ルペン氏の度重なる反ユダヤ主義発言を理由に、創設者である父を党から除名し、党が反対していた妊娠中絶や同性愛も容認している。一方で、度重なるテロを国内で実行したイスラム原理主義によるイスラム化には反対した。

その一方で、フランス文化を受け入れて社会に同化するイスラム教徒を擁護し、従来のRNの前身であるFN支持者からは強い反感も買っている。

フランスメディアの多くは、RNおよび娘ルペン氏を右派と呼び、極右と呼ばない傾向も出てきた。議会では単独で最大政党グループを形成するRNは、政策的にもフランスの掲げる価値観を逸脱していないからだ。

脱欧州連合(EU)路線から主権国家の権限を取り戻す方針に転換したことで、「フランス初の女性極右大統領誕生」とは言っていない。ルペン氏の大統領への道は険しくないとは言えないが、他の候補者よりは好感度が高い。

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