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「日産は本社ビルを970億円で売却」「電通は2680億円」サッポロも…外資ファンドが狙う日本企業の不動産"静かなる占領"

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大企業のビルのイメージ
大企業の本社ビルへの、外資マネーの流入が加速している(写真:Orange555/PIXTA)
  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー

INDEX

恵比寿ガーデンプレイス、サッポロ、西武、日産、電通──。誰もが知る日本企業が、都心に抱えてきた優良不動産を次々と手放している。背中を押すのは「モノ言う株主」アクティビスト、そして、手にするのは米KKRやブラックストーンといった外資系ファンドだ。2025年、外資による日本の商業用不動産への投資は2兆円を突破した。ミサイルもドローンもない、静かに進む"日本占領"に、私たちはどれだけ気づいているだろうか。
※本稿は『「外国人不動産」問題』から一部抜粋しています。

不動産収益がなければ立ち行かない、日本の大企業

日本の古くからの大企業の多くは、都心部に優良な不動産を多数抱えてきました。時代が変わり、大企業にとっての事業環境も変わり、本業の収益だけで稼ぐのが厳しい時代を迎えても、自社が抱える不動産を活用して不動産収入を得ることによって、本業の減退を補っているケースは多く見受けられます。

たとえば繊維業。戦前は日本の代表的な産業の1つだった繊維業は、アジア諸国などの攻勢によって衰退。今では、多くの会社が自社のあった都心部の本社ビルや郊外にあった工場跡地を有効利用することで、不動産賃貸業に業態転換しています。不動産は金融機関から融資を受ける際に担保としての価値を持つだけでなく、有効活用を行なうことで、新たな収益源を発掘する打ち出の小槌としての役割も果たしてきたのです。

昨今は、新聞、ラジオ、テレビ、出版などのメディアもSNSの隆盛にともない、それまで誇ってきた情報発信における圧倒的地位を落とし始めています。そのいっぽうで、彼らの多くは都心部に広大な不動産を保有しています。その不動産を活用してオフィスビルなどを建築し、今や不動産収益が本業収益を超えるところも珍しくなくなっています。

あるメディアの首脳は、こうした状況について、

「自社の収益を下支えする不動産事業があるからこそ、安心して本業に打ち込める」

と胸を張ります。一見すると、もっともらしい理屈に映りますが、見方を変えれば、今や不動産収益がなければ、本業の存続が危ぶまれるとも受け取れます。

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