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ドラマ「サバ缶、宇宙へ行く」は実話!主人公モデルの小浜市教育長、教育困難校から始まった探究を経て育む「挑戦する力」

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生徒と宇宙サバ缶
「宇宙サバ缶」の探究で知られる小浜市の教育とは?(撮影:小坂康之氏)
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――その教育観が変わるきっかけは何だったのでしょうか。

きっかけの1つは、生徒たちを地域の漁港へ連れて行った時のことです。学校では見せない表情で漁師の方々と楽しそうに話し、積極的に手伝う姿を見て、「この子たちのことを私は何もわかっていなかった」と気づかされました。

もう1つは、授業改善に努め、寝ている子が2割くらいにまで減ってきた頃のこと。寝ている生徒を起こしたら、その生徒が教室を出て行ってしまったんです。すると、隣にいた別の生徒が「先生は悪くないよ。ずっと授業を頑張っていて、最近は授業も楽しいし」と言ってくれました。

その生徒は以前から授業改善のアドバイスをしてくれていたのですが、私は聞く耳を持っていなかったんですよね。なのに、そんな温かい言葉をかけてくれた。自分が生徒の声をまったく聞けていなかったことに気づかされました。

それからは、実社会と結びつきやすい水産の特性を生かし、実際の生物を見て、触れ、食べるなど、五感を使い、地域社会とのつながりを実感できる授業を目指しました。でも、人間ですからすぐには変われず、また強い指導に戻ってしまって生徒が離れたり、フレンドリーに接しすぎて収拾がつかなくなったり、自分が変わるには何年もかかりましたね。

小坂康之(こさか・やすゆき)/小浜市教育長。東京水産大学卒業。福井県立大学大学院、福井大学連合教職大学院修了。博士(生物資源学)。福井県立小浜水産高等学校、若狭高等学校教諭を経て、2025年4月より現職。「子どもも大人も楽しいから学ぶんだ!」をモットーに、地域と連携した探究的な学習やWell-beingを目標とした「みんなが主役の教育活動」に取り組む。文部科学省優秀教職員、福井県授業名人、優秀教員表彰、中日教育賞受賞。中央教育審議会産業教育ワーキンググループ委員、高等学校教育の振興に関する懇談会委員。JAXA宇宙日本食認証に向けた生徒によるサバ缶研究を指導。共著に『さばの缶づめ、宇宙へいく』『宇宙食になったサバ缶』(写真:本人提供)

全国優勝を狙い「発表原稿赤入れ」の結果…

――小浜湾のアマモ(海草)の保全に取り組むダイビング部の「アマモマーメイドプロジェクト」の指導でも、苦い経験があったそうですね。

授業がうまくいくようになった頃でした。この取り組みも全国大会で優勝を狙えると思い、生徒との対話で出てきた言葉を私の都合のいいように抜き出し、発表原稿を作り込んでしまったのです。当時はそれを対話だと思っていましたが、実際は私の設計図に生徒の言葉を当てはめていただけでした。

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