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なぜ政治家は「コメンテーター化」するのか 権力にすり寄るメディアと政界の歪んだ「共犯関係」

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取材に応じる政治家
政界とメディアの境界線が崩壊し、政治家たちは評論家のように振る舞うようになった(写真:Haru photography/PIXTA)

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現代の政治家は、なぜ社会を良くする政策よりも、メディアの「見出し」を飾ることに執心するのか。政治家とエリート記者たちが癒着し、互いの利益のために怒りをあおり合う「ザ・ロビー」の歪んだ実態とは。映画監督のケン・ローチ氏や経済思想家の斎藤幸平氏も絶賛し、「インターネット登場以後、もっとも影響力のある論客」と評される気鋭のイギリス人ジャーナリストによる新著『「マイノリティ支配」の正体:分断される社会と文化戦争の罠』の第3章から一部を抜粋・再構成してお届けする。

内務大臣の「ちっぽけな夢」

2022年10月のある秋の日、英国バーミンガムの会議室で、スエラ・ブレイバーマン内務大臣(当時)が、熱心な聴衆に最も大切にしている夢を語った。

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「ぜひテレグラフ紙の第一面に、ルワンダに向けて飛び立つ飛行機の記事を載せたいものですね」。彼女はそう言って、同紙の政治部副編集長にニンマリと笑いかけた。

貧困の五大問題を解決することでも、深刻な若者の暴力をなくすことでもなかった。一人の大臣が望めるのは、せいぜいが戦争や迫害から逃れてきた亡命希望者を国外に移送し、右派系の新聞に頭を撫でてもらうことぐらいだったのだ。

政治家は、資本主義が彼らの領域にしてきたことを反映して、ちっぽけな、つまらない存在になった。私たちは、フェミニズムに反対する女性や、ブラック・ライブズ・マターを非難する黒人といった、類型から外れた発言をするコメンテーターがいかに報われるかを見てきた。しかしブレイバーマンはただのコメンテーターではない。英国で最も大きな権力を持つ国会議員の1人なのだ。

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