内務大臣の「ちっぽけな夢」
2022年10月のある秋の日、英国バーミンガムの会議室で、スエラ・ブレイバーマン内務大臣(当時)が、熱心な聴衆に最も大切にしている夢を語った。
「ぜひテレグラフ紙の第一面に、ルワンダに向けて飛び立つ飛行機の記事を載せたいものですね」。彼女はそう言って、同紙の政治部副編集長にニンマリと笑いかけた。
貧困の五大問題を解決することでも、深刻な若者の暴力をなくすことでもなかった。一人の大臣が望めるのは、せいぜいが戦争や迫害から逃れてきた亡命希望者を国外に移送し、右派系の新聞に頭を撫でてもらうことぐらいだったのだ。
政治家は、資本主義が彼らの領域にしてきたことを反映して、ちっぽけな、つまらない存在になった。私たちは、フェミニズムに反対する女性や、ブラック・ライブズ・マターを非難する黒人といった、類型から外れた発言をするコメンテーターがいかに報われるかを見てきた。しかしブレイバーマンはただのコメンテーターではない。英国で最も大きな権力を持つ国会議員の1人なのだ。


