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なぜ政治家は「コメンテーター化」するのか 権力にすり寄るメディアと政界の歪んだ「共犯関係」

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取材に応じる政治家
政界とメディアの境界線が崩壊し、政治家たちは評論家のように振る舞うようになった(写真:Haru photography/PIXTA)
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政治家は本来、メディアではなく有権者から負託を受けたはずだった。

それなのに、政治家とメディアの協力関係の中で、私たちは権力のレバーで「人種差別」と書かれた大きなダイヤルを回しつつ、観客の方を振り向いて承認を求めるような政治家を押しつけられることになってしまったのだ。

政治家の「コメンテーター化」

政界とメディアの境界線が崩壊してしまった結果、政治家たちは、現実に国家全体の状況を変革する権力を手にした身というよりは、むしろ評論家のように振る舞うようになっている。

評論家モデルの政治家は、テレビや印刷メディアに顔を出し、社会全般の幅広い意見を反映したと称する発言を行う。彼らの目的はメディアのスペースを奪い合うことであり、政策よりもテレビ業界での地位を誇示する方が優先される。

これをおそらく誰よりも上手く利用してきた人物が、右派ポピュリストのナイジェル・ファラージだ。2024年7月、英国サウスポートのダンス教室が襲撃され、3人の少女が刺殺されるという悲惨な事件が起きた。極右勢力が暴動を起こしモスクを襲撃する中、ファラージはSNSに投稿した自撮り動画の中で、なぜこの事件がテロ関連として扱われないのかと問いかけ、「真実は我々から隠されている」と推測を述べた。

もちろん現職の国会議員なのだから、彼は議会での立場を利用して政府からより多くの情報を得ることもできたはずだ。しかし彼はどちらもしなかった。「評論家」となって恐怖と憶測をあおることの方が、彼の目的にはかなっていたのだ。ファラージは政治家らしく振る舞うことではなく、アンチ政治家になることから、自らの権力を引き出している。

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