有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資

なぜ政治家は「コメンテーター化」するのか 権力にすり寄るメディアと政界の歪んだ「共犯関係」

7分で読める
取材に応じる政治家
政界とメディアの境界線が崩壊し、政治家たちは評論家のように振る舞うようになった(写真:Haru photography/PIXTA)
2/5 PAGES
3/5 PAGES

英国の政治報道において不可欠の地位を占めるのが、国会議事堂内のロビーに出入りできる選ばれた政治記者団「ザ・ロビー」だ。彼らは政治家に説明責任を問えることになっているが、実際には匿名の情報源と引き換えに権力者へのアクセスを得るという基盤の上に構築されている。

不安定な時代には、ザ・ロビーが本領を発揮する。しかし、彼らが自ら見つけなければならないニュースではなく、勝手に舞い込んでくるようなニュースを好む姿勢は、必ずしも良質のジャーナリズムを生み出す保証にはならない。

2019年の総選挙の数日前、BBCやITVニュースなどのトップ記者たちが、「労働党の活動家が保守党の特別顧問を殴った」と同じ5分間のうちに相次いでツイートした。だが実際には、何かに気を取られた特別顧問が活動家の手に頭を軽くぶつけただけだったことが、後に動画で判明する。

彼らの問題点は、非常に党派的な情報源から得た話を、最初に真実かどうかの確認をすることなく、あたかも確かな事実であるかのようにツイートしたことだ。上級の政治記者たちは、権力者からメッセージアプリで送られてくるあらゆるデタラメの、単なる導管と考え始めていた。

政界とメディアを繋ぐ「回転ドア」の罠

「頭角を現したいなら、政治家や政府の閣僚へのコネを手に入れなければならない。一番良い方法は、コーヒーを飲みに行き、酒に付き合い、友達になることさ!」。あるザ・ロビーのジャーナリストはそう語った。仲良きことはザ・ロビーのジャーナリズムの潤滑油なのだ。

政治ジャーナリストと政治家が職場の同僚のような仲間意識で結ばれるこの文化は、本来なら両者の役割を明確化するはずの一線を曖昧にする。両者の間にはある種の「回転ドア」がある。

4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数