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防衛費増額でも防衛省・自衛隊にはムダ金になってしまう理由、装甲車など装備調達でなぜ失敗と隠蔽を繰り返すのか

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自衛隊に配備されている軽装甲機動車(写真:陸上自衛隊ホームページより)

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陸上自衛隊幕僚監部と防衛装備庁は、陸自の現用の軽装甲機動車の更新として小型装甲車を導入する予定だ。これには紆余曲折があったが、最近ではトヨタのランドクルーザーなどをベースに開発中だ。民生車両をベースに開発すること自体は悪い考えではない。だが当事者能力が欠如しており、失敗する可能性が高い。実は過去2回失敗している。

しかも自衛隊全体の車両調達というフレームの中でこのプロジェクトを考えるということをしておらず、木を見て森を見ていない。信じられないかもしれないが、車両調達に関する常識が装備庁にも陸幕にも決定的に欠如している。後述するイギリス防衛省の取り組みと比較するとその差は歴然だ。

繰り返される装備調達でのムダ遣い

小型装甲車もそうならないか――。実は筆者は「不幸な予言者」扱いされることが少なくない。過去、軍事ジャーナリストとしてコマツが装甲車から撤退したこと、カールグスタフ反動砲や18式防弾ベスト、P-1哨戒機などの問題点を指摘したことが的中して、それから装備の調達が変更になったことも少なくない。

軽装甲機動車はコマツが開発生産してきた小型4輪装甲車だ。約2000両が生産されており、事実上、陸自の主力装甲車である。航空自衛隊の基地警備にも使用されている。

だが4人乗りの小型装甲車を主力装甲車にしている奇特な軍隊は自衛隊以外に存在しない。1個小隊で7両の軽装甲機動車を運用するが、専門の乗員がおらず、下車戦闘時は全員が降りて、車両を放置していく。固有武装も無線機も(隊長車は除く)ないので下車した部隊は火力支援や通信もできない。

装甲も薄くNATO(北大西洋条約機構)基準の最低のレベル1もなく、当初はドアのガラスは防弾ですらなかった。また振動も大きく、路外走行能力もほとんどない。陸幕が「装輪だから必要ない」とそれを求めなかった。

筆者は開発を決定した当時の幕僚長に話を聞いたことがあるが「ウェポンキャリアーを作るはずが、装甲タクシーになった」と嘆いていた。

当初、軽装甲機動車の後継を開発する予定ではなかった。排ガス規制に適応させるためエンジンとエンジンルームの改善で済ませようとした。2016年度予算では改良型6輌が3億円で要求された。

単価はそれまでの約3000万~3500万円から5000万円へと、約1.5倍に高騰した。このため財務省が認めなかった。原因の一つは冗長性、すなわち故障や異常が起きたときに代わりが利きにくく、エンジンルームの改造が難しかったことだ。そもそも他国では、1000万円程度である。自衛隊はそれをの3倍の金額を要求したのだ。

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