東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #ホットイシュー

防衛費増額でも防衛省・自衛隊にはムダ金になってしまう理由、装甲車など装備調達でなぜ失敗と隠蔽を繰り返すのか

12分で読める
自衛隊に配備されている軽装甲機動車(写真:陸上自衛隊ホームページより)
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

だがこれらは機密に属する話ではない。単に都合の悪い失敗を組織防衛のために隠蔽しているだけだ。筆者が問い合わせたら答えるのだから秘密であろうはずがないのは自明だ。

外部から批判されなければ「なかったこと」で済ませられる。これは組織防衛のための組織的な隠蔽であり、国民は敵だと公言しているようなものだ。

情報公開ではイギリス国防省と圧倒的な差

外国の例を見てみよう。ここではイギリスの例を引く。イギリス国防省は現在の装甲車両を2030年には退役させる予定で、その後継車両をLMV(Light Mobility Vehicle)として採用する。その計画は24年から始まる「LMP(Land Mobility Programme)」とされており、1万1000両以上が更新される予定だ。

LMPは単に老朽化した車両の更新だけではなく、多種の車両の統合が狙いだ。LMVは汎用、指揮通信、多用途、装備支援、野戦救急車、兵員輸送車、ミッションシステム、戦術機動、装甲車型などが計画されている。また「中型車両」は、戦闘重量が20〜30トンの「重防御機動車両」に変更されている。これは別な車両が採用されるということだ。

防衛省や陸幕と違って、事前にどのような計画か情報公開を行っている。これが民主国家の軍隊としては当たり前の姿勢だ。

そして25年に企業に対して「情報提供依頼書」が求められ、以下の企業がこれに応じている。前出のGDELSやポーツマス・エビエーション、ラインメタル・ランドシステムズ、フェアリング・テクノロジー、バブコック・インターナショナル・グループ、GMディフェンス、イネオスといった企業だ。

イギリス・ジャンケル社のランドクルーザーベースの特殊部隊用車両(写真:筆者撮影)

中でも注目すべきはバブコック・インターナショナル・グループだ。同社はトヨタランドクルーザーの70シリーズをベースにした車両を提案。重量は基本型が3.5トンで5トンまで拡大可能。最大航続距離は1000キロメートルで、トヨタの巨大な生産力とサポート能力を強調し、車体の組み立ては国内の同社工場で行うとのことだ。

トヨタのランドクルーザーは世界の軍隊でそのまま使用されることも多いが、装甲車は外見はそのままで防弾機能を持たせた防弾車のベースとして最も人気がある。多くの特殊車両メーカーがランドクルーザーや同じくトヨタのハイラックスをベースにした軍用トラックや特殊部隊車両、装甲車など開発している。

例えばイギリスのジャンケル社、フランスのセンティゴン社がその例だ。サウジアラビアの国営企業も「シビル」という名称の4輪及び6輪の装甲車を開発している。

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象